子宮・卵巣がんのサポートグループ あいあいのページ

第6回公開講演会

「転移がん、重複がんを生きる」

「転移や再発、重複がんなど、状況のきびしい方の体験談をお聞きしたい」という声がたくさんの方から寄せられています。
そこで、今回は、腹膜転移や重複がんなどで、死を間近かに感じる経験をしながら生き延びている、柳原和子さんと土橋律子さんにお話いただきます。
話し手
◆柳原和子(やなぎはら・かずこ)さんプロフィール◆

1950年生まれ。東京女子大学社会学科卒。ノンフィクション作家。卵巣がんで亡くなった母と同じ卵管がん(腹膜転移)を自らが患った体験を克明に記し、同時に、末期・再発・進行がん長期生存者と現代日本のがん医療に警鐘をならす専門家にインタビューした『がん患者学』(晶文社)を上梓し、大きな話題を呼ぶ。ほかに著書として、『「在外」日本人』『カンボジアの24色のクレヨン』(晶文社)、『二十歳、もっと生きたい』(編著、草思社)など。それまで、筋ジストロフィー、医療過誤、薬害エイズ訴訟などに深い関心をよせ、作品を発表してきた。


◆土橋律子(つちはし・のりこ)さんプロフィール◆

1955年生まれ。76年千葉大学医学部附属看護学校卒業。同大学医学部附属病院勤務。89年(当時34歳)に子宮体がん、91年に片側残してあった卵巣に、92年に大腸にがんが見つかり、腸閉塞と合わせ延べ4度の手術と化学療法、放射線療法を受けた。ともに生きる仲間探しのため、94年にがん患者のサポートグループ、支えあう会「α」設立。96年千葉大学医学部附属病院退職。現在、支えあう会「α」代表。生命(いのち)をささえる研究所所長。国立医療センター附属看護学校非常勤講師。国立精神・神経センター国府台病院附属看護学校非常勤講師。四街道市介護認定審査会委員。ジャーナリストの小笠原信之さんとの共著に『看護婦ががんになって』(日本評論社)がある。


柳原和子さん著『がん患者学』より 一部抜粋

ある種のがんは不治を告知されてからが、とても短く、そして長い。楽しい時間を過ごすには短く、悲しい現実を思い悩むには長すぎる時間。さまざまな後遺症、身体的障害を抱えながら、いかに過ごしたらいいのか?治療についてはどのように考えるべきなのか?私の悪化はがんによるものなのか?それとも治療によるものではないのだろうか?納得できる死はないのだろうか?その時間をいかに過ごしたらいいのだろうか?治すことを目的に進歩を遂げてきた現代医療は、治せない患者の具体的な心、日常のプログラムについては無力だ。だが、なにがどうであれ、人生の終幕を恨みでだけは終えたくない。
お手本がほしい、と私は思った。
やすらかに死ぬるための方法はないのか?
あわよくば治る処方箋があるのではないか?
それに答えうるのは、末期がん、再発進行がん、進行がんを宣告されながら5年、10年、20年を生きてきた患者たちをおいてほかにはない。

土橋律子さん、小笠原信之さん共著
『看護婦ががんになって』より 一部抜粋

その(脳腫瘍患者の)母親が自分も大病を経験していると言い、「私はほんとうによくなるのに3年かかりました。土橋さんは看護婦さんだからよくわかっているでしょうけど、3ヵ月や6ヵ月はむりしないでくださいね」と心配してくれた。
言われてみて、彼女(土橋さん)はハッとした。入院中の患者のことはわかっていても、看護婦でも退院後の患者のことは知らない。「その後」を患者たちがどんな思いで暮らし、生活の本流に復帰しようとしているのか。医師にしても看護婦にしても、そこまで関心をもってこなかったのが、今の日本の現状だ。私自身もほんとうのところ、この点についてはなんの知識もない、とすれば自分をあまり過信せずに手探りで確かめていくしかないのだろう、と彼女は気づかされたという。

日時
2001年1月27日(土)13:30〜16:00
参加資格
一般公開の催しです。事前申し込みは必要ありません。
場所

関東中央病院 講堂
東京都世田谷区上用賀6−25−1

【バス案内】

  • 東急新玉川線用賀駅下車 美術館・関東中央病院行(1番)東京コーチバス約5分 / 成城学園前行き(6番)バス約10分
  • 小田急成城学園前駅 渋谷駅行バス約20分 など

参加費
1000円(資料代込み)
お問合せ
090−1732−7213 (夜9時まで)
〒156-0044 世田谷区赤堤二郵便局留
グループあいあい まつばら けい宛て
  • 事務局をになっているのは、子宮体がんの患者本人です。
  • 留守電になっているときは、メッセージと連絡先を残しておいてください。折り返し、お電話できるときに、ご連絡します。
  • 医療相談には応じかねます。ご了承ください。
Copyright 2004 Group aiai. All right reserved .