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◆第2回公開講演会◆ |
第2回公開講演会「がんとメンタルケア──婦人科がんを中心に」
「検査の結果、がんでした」そう医師に言われた瞬間から、風景が違って見える。がん患者の多くが経験していることです。強いショックを受け、死や再発、肉体的苦痛、治療などへの不安を味わう。中には、時間とともに、適応できる人もいます。しかし、最近の研究結果では、がん患者の約3〜4割が適応しきれなくて、情緒不安定が続き、うつ病や適応障害などを起こすことがわかってきました。
抑うつ状態が続けば、免疫力が下がってしまいます。逆に精神状態が改善されれば、QOL(生命の質)が高まるばかりか、延命効果もあることが科学的に証明されつつあります※。メンタルケア、精神療法は、“副作用のない補助療法”とも言えるのです。日本でも徐々にがん患者へのメンタルケアの重要性が認識され、サイコオンコロジー(精神腫瘍学)への関心が高まっています。 今回は、サイコオンコロジーなどが専門で、乳がん患者の支持的サポート療法の経験を持つ精神科医の保坂隆さんと、精神看護学が専門で、『最新がん事典』でメンタルケアの章を執筆した坂田三允さんに、お話しいただきます。 家族の役割やパートナーシップ(夫婦関係)、婦人科がん特有の悩み──女性性の喪失感や、子どものいない人の生き方などにも触れる予定です。 ※スタンフォード大学医学部スピーゲル教授の研究が有名。進行乳がんの患者を無作為に(くじ引きで)2群に分け、1群には通常のがん治療、他の1群には、通常のがん治療に加えて、毎週1回の支持的サポート療法(グループ・ワークによる心理的なサポート)を1年間行なった。その結果、グループ療法を受けた群は、受けなかった群に比べ、平均生存期間が2倍に延長した。1989年に医学雑誌「ランセット」に発表されると、大きな反響を呼び起こした。詳しくは、D.スピーゲル著『がん──限界のその先を生きる』(サンマーク出版、1997年)。
話し手
東海大学医学部精神科助教授
保坂 隆さん◆プロフィール◆ 1952年7月15日生まれ 【保坂隆さんからのメッセージ】 がん患者と家族の心理は、最近ではサイコオンコロジーとして知られるようになってきました。 そこでは、がんが心に与える影響だけでなく、心ががんに与える影響についても研究されてきています。 日本では、がん患者さんのメンタルケアが必要であることはしばしば言われていますが、それは具体性・実践性に欠けていました。 そこで今回は、こころの持ち方の重要性と、グループ療法の有効性について、具体的なお話しをさせていただきます。
1969年、聖路加看護大学卒。伊藤忠商事株式会社健康管理室、富山県有沢橋病院、千葉大学看護学部、 東京大学医学部附属病院を経て、現在、長野県看護大学教授・日本精神科看護技術協会副会長。 共著に『最新がん事典』(監修/日野原重明、小学館)がある。 【坂田三允さんからのメッセージ】 私自身、23歳のとき、卵巣膿腫で、片側の卵巣を切除する手術を受けました。 片側で、良性ではありましたが、それなりの喪失感がありました。
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